子どもの成長速度に合わせるとは?

こんにちは!

今日は「子どもの成長速度に合わせる」というお話しです。

「速度」といっても いろんな速度がありますね。

  • 車や電車の走る速度、
  • 台風の進む速度、
  • 勉強の習得速度、
  • 物事の理解の速度など、

いろんなジャンルで いろんな速度があります。

アトリエでいうと、

創作する速度ですかね?

それも 一人ひとり違います。

 

また

同じ人でも 年齢や時期によって

まったく違います。

アトリエでは、もちろん他者と比較はしません。

ここでいう「他者」とはお友だちだけでなく

そのお子さんを見守っている

私も含め 大人の思っている速度とも

比較しないということです。

 

でも、

どうしても 大人は

気がつかないうちに

比較していることが多いんですね。

自分の経験より お子さんが速ければ

すごいなと感心して、

遅ければ、

どうしても  口出し、手出ししたくなっちゃいます。

つまり

待てないんですよね 😅

 

まぁ、日々の暮らしが忙しいですから

その速度で動かなくてはいけなかったり、

その速度で生活するのが普通だと思っていたら、

待てない気持ちもわかります。

子どもの成長には、

待つことが大事だと

わかっていても

ついつい・・・ということもあるでしょう。

 

何かが「わかる」という体験をするということは

それまでの そのお子さんの人生の体験全ての中から

整合性や秩序が生まれて

納得がいき、腑に落ちることです。

まだ 人生経験が短かく 情報も少ないので

穴あけ状態になっていて

なかなか 繋がらなかったりします。

 

また、

シュタイナー は、7歳までは夢の中というように

その年齢くらいまでは

この現実世界の速度で生活するのは

ちょっと 厳しいかもなぁと思います。

それまでは

空想やファンタジーに

とっぷり浸り、

  • イメージする力(想像する力)
  • 創造する力を

を 存分に伸ばしてあげたいものです。

 

なので、

アトリエでは

その子の特性や成長に合わせて

じっくり 寄り添っています。

 

エピソードの紹介

ここで アトリエであったエピソードを

お話しましょう。

これは、4歳男の子の作品です。

色と色を組み合わせると

色が変わるということに気がついて、

とっても感動していました!

 

最初は 絵の具1色と水を混ぜて

色水ができることを楽しんでいたのです。

こんなに たくさん色水を作って

何回も 確かめていました。

絵の具の量や、水の量で

多少色の濃さが違ってきますね。

それも よーく観察していました。

次に

2色混ぜた時、

色が変わって 感動したのでしょう!

少しずつ色数が増えていきます。

本当に 楽しかったのだと思いますよ!

色と色が組み合わさったら

こんなに キレイな色ができるなんて!

だったら、全部の色を混ぜてみよう!と

最後に 全色 混ぜてみたのです。

どうなったか、お分かりですよね。

 

黒に近くなって、想像していた色とは違っていたのでしょう。

その結果に ものすごく怒って帰ってしまいました。

誰にも挨拶せずに帰ってしまったので

相当 ショックを受けて

ガッカリしたのだと思います。

 

挨拶させようとお母様は 声をかけましたが

聞こえないふうでした。

私も事情をお話しして 挨拶しないで帰ったことは

大目にみてもらいました。

 

それから 数ヶ月経ってから、

私の近くに そっと寄ってきて、

「大西さん、

色はね、

全部 混ぜちゃ

ダメなんだよ。」

耳元で

小さな声で教えてくれました。

 

そうか、この人は こんなに小さいけれど

じっくり 一つのことを考えることができる

素敵な面を持っているんだなぁと

嬉しく思いました。

 

このエピソードがあってから

さらに 私は待つようになりました。

それがまた、

許容範囲が 広すぎて

子どもの言いなりになっているように見えてしまったり

優しすぎて ダメが言えない人と思われてしまったり

ちょっと誤解されることもあるのが たまにキズです。

 

でも

子育ては、手がかかるもの。

時間もかかるもの。

その度合いも 一人ひとり違うもの。

それだけ 人間て 複雑な存在。

いのちの危険がない限り、

その子が何をしたいのかを見守りながら

その子に合わせて ギリギリのところまで

思いっきりさせてあげたいなと思っています。