質問を受けることが多いことの一つに
「親に対して 怒ってばかりいる」
ということがあります。
毎日、子どものご飯を作ったり、
勉強を見てあげたり、
遊んであげたり、
絵本を読んであげたり、
さらに、
心地よい生活ができるよう
働いている親御さんにしてみれば
「勘弁してくれよ。こっちが怒りたいよ。」
と思うことでしょう。
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ですが、
ここは 親として ちょっと成長のしどころ。
「そういえば<怒り>って第2感情って言ってたよな」と
思い出して欲しいのです!
その<怒り>の奥には、
お子さんが なかなか言葉にできない思いがあるのです。
感情の育ち方
人間の感覚は、
最初は「快/不快」の識別から始まります。
赤ちゃんを思い浮かべてもらえば分かりやすいと思います。
気持ち良ければ(快)、
ぐっすり寝ていたり、穏やかにしています。
一方、気持ち悪ければ(不快)、
泣いたり、怒ったりしてますよね。
この「快/不快」の感覚を
口唇期を経て いろんなものに直接触れて
また スキンシップを受けて
どんどん育てて行きます。
すると 「快」の感覚が分化されて
ポジティブな感情へ。
さらに「不快」の感覚が分化されて
ネガティブな感情へと 育ち、
さらに いろんな経験を積み重ねることで
複雑な感情を抱けるようになって行きます。
感情を「見える化」する
でも 感情の成長って目に見えないもの。
ところが 誰にも強制されず
さらに「自由にして良いよ」とさえ言われない
自由創作、自由表現の場で創作されたものには
心の深い部分が表れることがあります。
それを
色彩や形から その方自身の
「色の言葉」に置き換えていくのが
色彩心理です。
アトリエの事例
では、アトリエで実際にあった事例をご紹介しましょう。
日頃から おこりんぼだと言われているAちゃん。
パパにいろいろお願い事をしていたのですが
受け入れてもらえませんでした。
上記の写真は、パパが部屋を出た直後の作品です。
中は 白い粘土。
そして その上に真っ赤な絵具をぶちまけた感じです。
そのやりとりを見ていた私は、
すごーく怒っているな と思ったのと同時に、
「Aちゃんは、自分の意思を
しっかり持っている子なんだなぁ。
素敵だなぁ。」
この良い面を育てていくにはどうしたら良いのだろうか?
日常生活の中では、
兄弟がいて、甘えたくても甘えられなかったり
時間が決まっていて、やりたいことができなかったり、
やりたくなくても やらなきゃいけなかったり・・・
親御さんも お忙しいので、
いちいち子どもの気持ちを受け止める余裕はないですよね。
(本当は、最初は面倒でも いちいち受け止めて共感すると
信頼関係が築かれるので、後々ラクです。)
受け止めてもらえないと、
自分の内側から出てきた感情
=エネルギーの持って行き場がなくて
怒ってしまうのでしょう。
一番 簡単な表現方法です。
訴えたい何かがあるのです。
それを
最終的には 言葉で言えることが目標です。
でも 相手にちゃんと伝わるような
意味や感情や経験を載せた言葉を使うのは
とても大変なことで、
大人の私たちでも苦労します。
「赤」の表現を続ける
そこで
なかなか言葉にできなくて抱えてしまうフラストレーションを
安全に 外に出して 心のテンションを落ち着かせて
冷静に考えられるよう役立てて欲しいのが
色彩なのです。
Aちゃんの「赤」の気持ち。
これを ちゃんと言葉で表現できるようになるまで
アトリエで いろんな画材を使って
心のままに 言葉以外の様々な表現ができることを
サポートしました。
表現方法が増えると、
言葉での表現も増えます。
また、
おうちでも 工夫してもらいました。
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すると半年後には、「焚き火」を創りました。
怒りの熱は、
人を傷つける方向ではなく
人を温める穏やかな火になったのではないかと思います。
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本当のところはお子さんにしか分からないけれど、
毎回、お子さんの作品から
色彩心理を使って
あれこれ 想像を膨らましながら一緒に考えることで
他の誰でもない、
お子さんと、あなたの子育てができるよう応援します。